無料ブログはココログ

« 朝日新聞2009年2月17日から連載の「聞く」欄の浜矩子さんの記事が大変面白いので、私のブログに掲載させて頂きます。現在の不況は、いろんな人に苦痛を与えていて、傍観者としてただ見ているのは何かうしろめたいと思っていますが、大変優れた記事で、分かり易く書かれているので、思わず引き込まれました。 | トップページ | ココログで、記事面の横幅がどこまで広げられるか、について »

2009年3月 2日 (月)

浜 矩子著 岩波新書 「グローバル恐慌」を読んで

私は大学で経済学関係を勉強した。ケインズ、ヒックス、ハロッド、サミュエルソン等々の著作を読んだ。会社へ入ってから、公害問題が各地で発生するに及び、またいろんな個人的な理由から、経済学は公害に全く無力だと悟り、次第に関心から遠ざかるようになった。

毎日日経新聞を読んではいたが、金融関係については、全くチンプンカンプンでよく分からず、債権の証券化とは、当時何か怪しげな感じがしただけで素通りしてしまった。

朝日新聞で浜 矩子さんの記事の連載の中で、「人間不在の経済学 恐慌生んだ」という記事を目にしてから、突如私の心の扉が開いた。経済学への私の回帰が始まった。経済学が、私が学校で勉強したのと違い、コンピューターを回すだけで、無味乾燥でかさかさして、人間味が乏しくなっていると感じているところに浜さんの「人間不在の経済学 恐慌を生んだ」の記事を読んで感銘を覚えた。そこから猛然と経済学の興味が復活した。

また私は、最近株式投資と外貨預金を少しやったが、損失が怖くて、止めてしまい、誰かプロが運用してくれるものなら安心だろうと考え、投資信託を買ったが、今の価値は購入時の半分程度に下落してしまった。何故そうなったのか知りたかった。

----------------------------------------------------
浜 矩子著 岩波新書 「グローバル恐慌」から、今日の大恐慌を招いた道筋をピックアップしてみます。この先は、私が考えて書いたものではなく、浜氏の著作からの引用です。

2008年9月15日投資銀行のリーマン社倒産
サブプライム・ローン証券化商品の価値低下に伴う損失が原因
片や同じ投資銀行のメリルリンチ社が商業銀行であるバンク・オブ・アメリカの傘下に入る

投資銀行と商業銀行の違い 預金を受け入れるかどうか
投資銀行は預金を受け付けない。証券会社と同義語。

2008年9月17日
AIGが窮地に追い込まれる。国家の管理下に
金融商品に関する債務不履行に備えた保険ビジネスが命取りに

モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスの投資銀行コンビ
商業銀行の看板を掲げ、政府の管理下に入る

1933年銀行法グラス・スティーガル法
銀行による証券業の兼業が禁止された。
1929年の大恐慌への反省からの立法
1999年銀行と証券の相互参入に道が開かれることに

2007年7月
投資銀行のベア・スターンズ社傘下の会社がヘッジファンドのサブプライム証券化商品への投資焦げつきがもとで倒産

2007年8月
フランスのBNPパリバ社同じ理由で倒産

2007年9月
イギリスの地方銀行ノーザン・ロック大損失、公的資金投入で決着

2008年3月
投資銀行のベア・スターンズ社破綻の危機に陥る
JPモルガン・チェース社が救済

2008年9月
ファニーメイ(連邦住宅抵当公社)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)
住宅ローン債権の証券化商品の買い取り、保証供与を展開
2007年末に、新規組成住宅ローンの債権の75%を保有するという結果
両社の住宅ローン債権残高は約550兆円

債権の証券化とは何か
まず、何を証券化するのかといえば、その対象は債権である。カネを貸した相手に対する貸し手側の債務履行請求権だ。要は請求書である。債権の証券化とは、平たくいえば請求書の切り売りなのである。
証券化を活用する金融機関は、ツケで飲む客が多い飲み屋のようなものである。なじみ客が増えるのは結構だ。だが、ツケはあくまでもツケである。請求書を現金代わりにして仕入れの代金を払うわけにはいかない。店を拡張するための設備投資にも使えない。しかも、請求書の山には必ず貸し倒れの危険がつきまとう。そこで、飲み屋は一計を案ずる。たまった請求書を切り分けたり束ねたりして、たくさんの福袋をつくるのである。その福袋を町中の人々を相手に売りまくれば、飲み屋の手元には福袋代という形の現金収入が入ってくる。同時に貸し倒れリスクも福袋の買い手に転化することが出来る。請求書の山が突如として現金に化けるは、リスクは人に押しっけられるは。これぞまさしく、金融錬金術だ。
 このツケの福袋が、要するに債権の証券化商品である。債権と証券の違いは、債権が基本的に転売出来ない性格のものであるのに対して、証券はそれが可能だというところにある。債権が転売できないのは、それが貸し手と借り手の相対関係、つまり一対一の関係の下で成り立っているからである。
(飲み屋の請求書には高い金利が付いていて、福袋を買った人は、うまくいけば、金利分だけ儲かるということだと思います)。

福袋を買った町中の投資家たちが、中身の焦げつきで次々に大損を蒙るとする。福袋の買い手に対してその購入資金を用立てた人々も被害を蒙る。損失の連鎖が起こる。飲み屋(投資銀行)にも誰も行かなくなる。
(債権の証券化とは何か、この福袋のたとえでようやく分かった)

債権の証券化商品には、例えば債務担保証券(CDO)がある。

そもそも担保となる債権に関する格付け会社の評価が甘かったという問題がある。甘くなる原因は、格付け会社が証券化商品の発行元からの依頼で評価を行うからである。

住宅バブルへの道

2000年頃住宅バブルの萌芽がアメリカで形成され始めた。
FRBが金融危機と実体経済を救うため、低金利策に出た。
実質金利がマイナスすなわち、カネを借りると補助金が支払われるということ。
貸出金利も下がって、銀行は利ざやを取りにくいが、貸し出し量が多ければ問題ない。ここで脚光を浴びたのがサブプライム方式の住宅ローン。

住宅価格が急上昇を始めた。2006年まで続いた。しかし、サブプライム・ローン
の組成は止まらなかった。

グローバルバブルの背景

2000年代に入って以来、地球経済は基本的に低金利・カネ余りの状態で推移してきた。実は日本のゼロ金利政策と量的緩和策が世界的なカネ余りに影響を及ぼしていたと考えられる。日本国内で金利を稼げないジャパンマネーが高い金利を求めて世界に出ていった。
円キャリートレード。タダ同然の金利負担で日本で資金調達して、外貨に変えて運用する。

投資家達は、超ローリターンが浸透する中で、何とかハイリターンを獲得しなければならなかった。ハイリスクに対する感覚がマヒしていった。

今回の恐慌の原点は、ニクソン・ショックにあった。

1971年8月15日ドルの金交換を停止

1944年7月ブレトンウッズ会議でのIMF協定成立。金1トロイオンス=35ドルでいつでもドルを金に交換できるという取り決め。

交換停止ということは、アメリカ自身がこの体制を維持する責務を負い切れなかったということ。

その後タガの外れたアメリカがドル紙幣増刷。インフレの進行。

1960年代後半から、財政収支の悪化と、対外収支の赤字化。「双子の赤字」と言われる。

1933年銀行法グラス・スティーガル法
預金金利上限規制があった。

投資家は世の中の金利水準が上がるなかで、銀行に預金しないで、投資信託、国債、社債などの金利の高い商品を買うようになった。銀行にカネが集まらなくなった。信用創造の行き詰まり。

1975年5月証券委託手数料の自由化

1980年3月預金金利に関する上限の撤廃、

新手の金融商品の出現、金融のIT化が寄与
金融派生商品(デリバティブ)の出現、金融の工学化
この過程で発生したのが、債権の証券化商品

1970年、政府抵当金庫が融資債権の証券化を始めたのが始まり
国民皆持ち家を目指すアメリカの住宅政策の担い手

問題は、使途限定的な手法が次第に一般化してしまった。
リスクの分散化、拡散化

1987年銀行の一般債権に関する証券化が開始された。「債権担保証券(CLO)」銀行融資の全てが証券化された。

グラススティーガル法による規制体系には三つの柱がある。
1.銀行と証券の兼業規制
2.預金金利規制
3.州際業務規制(州境をまたぐ越境ビジネスを原則論的に規制)

1999年までに、三本立て規制が全て撤廃された。

金融の一人歩き、暴走、モノと完全に遊離。モノ作りへの影響。

« 朝日新聞2009年2月17日から連載の「聞く」欄の浜矩子さんの記事が大変面白いので、私のブログに掲載させて頂きます。現在の不況は、いろんな人に苦痛を与えていて、傍観者としてただ見ているのは何かうしろめたいと思っていますが、大変優れた記事で、分かり易く書かれているので、思わず引き込まれました。 | トップページ | ココログで、記事面の横幅がどこまで広げられるか、について »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。浜矩子さんの「グローバル恐慌」の内容が知りたくて、検索したらこちらに案内されました。飲み屋のツケの例えは非常にわかりやすく、浜さんの明晰さに驚かされました。日銀のメンバーに選ばれるような方は、やはり頭のできが違うのですね。とても参考になりました。ありがとうございます。

野草の写真も楽しませていただきました。
名前がわかって、嬉しいです。

鎌倉山様

お書き込み有難うございます。
浜矩子さんの「飲み屋のつけ」の例えは大変分かりやすく面白かったです。この本は全体的に大変面白く本当に読んでよかったと思っております。
作者にことわりもせず、引用してしまってよかったのか?とちょっと引っかかるものを感じております(^^ゞ

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/150691/44220991

この記事へのトラックバック一覧です: 浜 矩子著 岩波新書 「グローバル恐慌」を読んで:

« 朝日新聞2009年2月17日から連載の「聞く」欄の浜矩子さんの記事が大変面白いので、私のブログに掲載させて頂きます。現在の不況は、いろんな人に苦痛を与えていて、傍観者としてただ見ているのは何かうしろめたいと思っていますが、大変優れた記事で、分かり易く書かれているので、思わず引き込まれました。 | トップページ | ココログで、記事面の横幅がどこまで広げられるか、について »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30